マンションから程近いスーパーマーケットに向かう道中、お洒落な雑貨屋さんに立ち寄りながらゆっくりと散歩を楽しむ。
こんな風に家の近所を肩を並べて歩くこと自体、今まで無かった。
「こういうのも、結構いいもんだな」
「デートみたいで楽しいですね」
「みたいじゃなくて、デートだろ」
「え?……あっ、そうですね」
ただ単に買い物に行くのだって、歴としたデートだよな?
「なぁ、芽依」
「はい」
「籍入れたばかりで、挙式も新婚旅行もしてないし、俺は暫く二人のままでもいいと思ってるから」
「………はい」
「避妊するつもりはな「ストーップっ!!」
「んッ……」
「ここ、外ですっ。そういう話は家に着いてからで」
俺の口元を覆う彼女の手を剥がして、その手を握る。
「いや、こういうことは外の方がいいよ。家だと重々しい雰囲気になるだろ」
「っ……」
あえて外で話したいんだよ。
芽依に重く受け止めて欲しくないから。
「さっきの続きな?……するつもりはないけど、できたらできたでいいと思うんだよな。こればかりは授かりものだし」
「………はい」
「だから、なるようにしかならないってことで」
俺の言葉に不安材料が少し減ったのか、僅かに嬉しそうな顔を覗かせる。
そんな彼女の耳元にそっと呟いて。
「芽依は俺に抱かれることだけ考えてればいいよ」
「っっっ~~~っっ」
耳まで真っ赤になった芽依。
そうそう、そんな風に余計なこと考えなくていいんだよ。
芽依は俺のことだけ考えていれば。
「婚前契約書の第二項、入籍するまで肉体関係は結ばない……だったよな?」
「ッ?!!」
さっき、書斎で確認して来たんだから、間違いはない。
辺りをキョロキョロしながら、恥ずかしがる芽依。



