Special Edition ②



サウナ温活をして、水分補給のためにキッチンへと向かおうとした、その時。
浴室のドアの先に響さんが立っていた。

バスタオル一枚の姿で再会を果たした私達。
二週間ぶりということもあって、ぎこちなくて。

抱き締められた彼の腕の強さに、眩暈がしそうだ。

この腕の心地よさは知っている。
安心できるし、幸せをかみ締めることができる場所だ。

話を聞くと、仕事が忙しくて迎えに来れなかったという。
私はてっきり、父親が会わせてくれないのだとばかり思っていたのだけれど。

「お話があります」
「俺に?」
「はい」
「ん」
「とりあえず、着替えて来ますので、リビングで待ってて下さい」
「分かった」

もう逃げも隠れもできない。
この離れに響さんが案内されたということは、父親の許可が出ているということなのだろう。
それならこれ以上、黙っておくこともできないと思った。

衣服を身に纏い、軽くメイクも施して。
リビングに待たせている彼の元へと急いだ。

「何か飲みますか?」
「いや、いい」

不安そうな色を滲ませ、私の姿を視線で追う彼。
この離れの玄関に鍵が掛けられていたことが気になっているようだ。

水分補給のために水を口にする。
喉を通る冷たい水が、混乱する気持ちをほんの僅かに落ち着かせてくれてる気がする。

膝の上で手をぎゅっと握りしめている手。
横暴な父親の思惑を知る由もない彼は、また私が何かおかしな事情に巻き込まれていると勘違いしているに違いない。

不安そうに見つめる彼の横に腰を下ろし、フゥ~と深呼吸した。

「実は……」