高価な調度品が飾られているゲストハウスのようだ。
母屋と同じで採光に重きを置いているようで、大きな窓から陽の光がたくさん降り注いでいる。
周りを緑で取り囲んでいるお陰で、温かみの中にも癒しと寛ぎが保たれているようだ。
「あの容貌と違って、趣味はいいな」
強面で有無を言わさぬ風格とは違い、温かみのある設え。
もしかしたら、母親の趣向なのかもしれない。
「芽依?……芽依、いるのか?」
部屋の奥へと進みながら、少し声を張って彼女の名前を呼んだ、その時。
「へ?……きゃっ!」
「ッ?!!」
ガチャッと奥の扉から、バスタオル一枚の格好で現れた。
俺の姿に驚いた芽依は、慌てて元いた部屋へと戻ろうと踵を返す。
「待って」
「っ……」
俺から逃げるように顔を背けた彼女を抱き締めた。
「迎えに来た」
「……っ」
「玄関に鍵が掛けられていたし、ここで何してるの?」
「っ……」
彼女の体が熱い。
触れる部分に熱が籠っているというか、お風呂あがりながら当然なのかもしれないけれど。
久しぶりに触れる肌のぬくもりに、二週間逢えなかった衝動が抑えられなくて。
「逢いたかった」
漏れ出した声に彼女の肩がびくんと反応した。
「どうしてもやらないとならない仕事があって、迎えに来るのが遅くなってごめん」
「……」
「今すぐ、家に連れ帰りたいんだけど…」
「っ……」
芽依の左手薬指に視線を落とすと、そこには俺が嵌めた指輪が無かった。
すぐに迎えに来なかったから、嫌われたんだろうか?
胸の奥がずうぅぅんと重く響く。



