Special Edition ②


「こちらになります」
「ここに芽依がいるんですか?」
「はい」
「では、このまま自宅に連れ帰っても?」
「はい、お嬢様もお喜びになられることでしょう」

敷地内の南端に面した場所に設けられたゲストハウスのような建物。
周りが木々に覆われ、少し趣のある感じになっている。

執事が鍵で玄関ドアのロックを解除した。

「鍵がかかってるって、閉じ込められてるんですか?」

思わず口に出ていた。
だって、芽依に孕ませるための男を送り込む父親だ。
屋敷の離れに監禁したとしても違和感がない。

「いえ、そのようなことは決してありませんので、ご安心下さい」
「では、何故……鍵を?」

芽依がこの佐山という執事だけは信用していると話していた。
だとしても、何の断りもなく勝手に自宅に連れ帰り、鍵までかけてとどまらせる理由が思いつかない。

「今の時間でしたら、中に入って頂ければお分かりになるかと」
「……へ?」
「仁科様が入られましたら、外から施錠させて頂きますので、ご安心下さい。芽依お嬢様をご自宅にお連れになる際は、玄関ドアは開けたままで結構です」
「どういう意味ですか?」

全くもって意味不明。
何が言いたいのか、さっぱり分からない。

「全ては中にお入りになり、お嬢様にお逢いになられたらお分かりになるはずです」
「……分かりました」
「それでは…」

執事の佐山は深々と一礼し、重厚感のあるドアを手前に引いた。
玄関の中に一歩入ると、約束通りガチャッとドアが施錠された。

一体、どうなってるんだ。
困惑する俺は、仕方なく部屋の中へと足を踏み入れた。