*
午後二時過ぎ。
芽依の実家へと到着した俺は、執事に案内されリビングへと通された。
大きな窓から陽の光が燦燦と降り注ぐがリビングに芽依の父親がいた。
「ご無沙汰しております、お義父さん」
「二週間ぶりかね、響君」
「……はい」
「仕事は順調か?」
「はい、お陰様で」
「それは何より」
恰幅のいい芽依の父親は、リビングソファへ座るように手で合図する。
「失礼します。良かったら、今夜の晩酌にでも」
「いつも悪いね」
こんな時のために好みの銘酒を貯めて来た。
芽依が手元に戻るなら、日本に数本しかない日本酒だろうが惜しくない。
「もう少し迎えに来るのが早いと思ってたんだがな。君の芽依に対する想いはその程度か?」
「っ……、申し訳ありません。数年温めて来た仕事が漸く動き出したもので」
言い訳なんてするのは間違っていることくらい承知している。
今ここで俺が何を言おうが、事実は変わらないのだから。
「仕方あるまい。男は所詮、仕事の上に成り立っている。多少の犠牲は致し方あるまい」
「……申し訳ありません」
「だが、これだけは覚えておいてくれ」
「……」
「あの子の心を包み込んであげれるのは、響君、君だけだよ」
「……はい、肝に銘じます」
「分かってくれればそれでいい。……佐山」
「はい、旦那様」
「案内してやってくれ」
「承知しました」
暴言を吐かれることも、門前払いされることも覚悟の上でやって来た。
けれど、そんな俺の気持ちなんて杞憂だったのかもしれない。
午後二時過ぎ。
芽依の実家へと到着した俺は、執事に案内されリビングへと通された。
大きな窓から陽の光が燦燦と降り注ぐがリビングに芽依の父親がいた。
「ご無沙汰しております、お義父さん」
「二週間ぶりかね、響君」
「……はい」
「仕事は順調か?」
「はい、お陰様で」
「それは何より」
恰幅のいい芽依の父親は、リビングソファへ座るように手で合図する。
「失礼します。良かったら、今夜の晩酌にでも」
「いつも悪いね」
こんな時のために好みの銘酒を貯めて来た。
芽依が手元に戻るなら、日本に数本しかない日本酒だろうが惜しくない。
「もう少し迎えに来るのが早いと思ってたんだがな。君の芽依に対する想いはその程度か?」
「っ……、申し訳ありません。数年温めて来た仕事が漸く動き出したもので」
言い訳なんてするのは間違っていることくらい承知している。
今ここで俺が何を言おうが、事実は変わらないのだから。
「仕方あるまい。男は所詮、仕事の上に成り立っている。多少の犠牲は致し方あるまい」
「……申し訳ありません」
「だが、これだけは覚えておいてくれ」
「……」
「あの子の心を包み込んであげれるのは、響君、君だけだよ」
「……はい、肝に銘じます」
「分かってくれればそれでいい。……佐山」
「はい、旦那様」
「案内してやってくれ」
「承知しました」
暴言を吐かれることも、門前払いされることも覚悟の上でやって来た。
けれど、そんな俺の気持ちなんて杞憂だったのかもしれない。



