Special Edition ②


夕食を摂る為にパーティーに参加した俺とひまり。
俺は顔見知りのスターに挨拶も兼ねて声をかけ、ひまりを紹介する。

彼らは目が肥えてるから、俺の彼女だし、高校生の彼女をどうにかしたいだなんて考えないだろうけど。
お酒が入れば話は別。
酔った勢いで少しくらい手が出るなんてことはよくある。
まぁ、それも込みで皆ここに来てるんだろうけど。

「Hi Sei.……――…」

両親が大事にしているロック歌手のDylan(ディラン)が声をかけて来た。
俺が彼女を連れて来たと両親から聞いたらしい。
隣りに座るひまりを見て、驚いている。
『俺には勿体ない』と。

確かに俺には勿体ないくらい上品で可愛くて繊細で清純な子だ。
俺の好みは年上でお色気ムンムンなお姉さんタイプだと思ってたようで。
英語で話すのが唯一の救い。
これが日本語だったら、速攻でひまりの機嫌が損なわれるっての。

「聖くん、……何だって?」
「俺に一曲歌って貰いたいんだって」
「えっ?」
「ディランって言うんだけど、こっちじゃ結構有名なロック歌手で。彼とその仲間が演奏してくれるらしく、一曲披露しろって」
「私も聴けるの?」
「歌っていいの?」
「うん、もちろん!!歌って……?」

ひまりにおねだりされたのなら、仕方ない。
まぁ、毎年のように歌ったり弾いたりしてたけど。

で、今の事務所の社長にスカウトされた俺。
一曲くらいならまぁいいか。

酒が入ってて、既にほろ酔いのディランは、ひまりに握手を求めてるし……。

「Don't hug!(ハグはするな)」

一応予防線は張っておこうとした、次の瞬間。

「ッ?!Hey,Dylan!」

ひまりと握手し、その手の甲にキスしやがった。
ディランは澄ました顔でメンバーの元へと駆けて行く。