「似合ってる。……めっちゃ可愛い」
「ホント?」
「ん」
にこっと可愛らしい笑顔を綻ばせ、ソファーに座る俺の元へ歩み寄る。
「写真撮ろう?」
「お、いいね」
ソファーに2人で並んで座り、スマホで自撮りする。
俺の腕に寄り添う彼女から、愛用のフレグランスの香りが漂って来る。
「絶対、俺から離れんなよ?」
「うんっ」
屈託ない笑みを溢す彼女の頬に触れるだけのキスをして。
*
「歩けるか?」
「大丈夫っ!家で毎日練習したから」
「は?」
「家の中をね、コレ履いて練習したの、ママに言われて」
「あぁ……、流石ひまりママ」
8センチはあろうかと思うピンヒールを履き、いつもなら肩より低い彼女が、ほんの少し目線を下げた所にいる。
不安定さはあるものの、しっかりと歩けてて、練習の成果があるのかもしれない。
「あ、ちょっと待って」
「どうしたの?」
玄関先で急停止した俺。
首から下げてるチェーンから指輪を外して、それをひまりに手渡す。
「つけて」
「いいの?」
「いいの?じゃなくね?」
「え?」
こういう日は、お互いに『恋人います!』的にアピールしなきゃ、アウトなんだって!
ひまりは嬉恥ずかしそうに左手薬指にそれを嵌めた。
「なんか、照れるねっ」
「そう?」
「うんっ。……結婚式みたいっ」
「フフッ、その時もヨロシク♪」
「ッ?!……今のはプロポーズ?」
「まさか」
「えぇ~~」
残念がる彼女が可愛く思える。
だって、それって。
相手が俺でもOKだってことなんじゃね?



