Special Edition ②




マークとの商談後、数日が経ったある日。
日曜日の13時に沢田と本田を呼び出した。

事前に祖父である会長に断りを入れ、本田を完全フリー状態にして貰っておいて。

「休みのところ、悪いな」
「お話とは……?」

杏花の店であるカフェで待ち合わせた俺らは、不安の色を隠せない2人を優しく見つめて。

先日のマークとの商談後、帰宅途中の会話を聞いた杏花からの提案で、沢田と本田に贈り物をしようと。

いつも休み返上で仕事に追われ、公私ともに支えてくれている2人のために。
俺と杏花、そして会長夫妻からのささやかなプレゼント。

15年近く交際していて、当事者たちよりも周りの方がじれったくなるほど。
2人の関係性は見えるようで全く見えない。

3歳年上の本田がリードしているようにも思えるが、実際は沢田がしっかりとリードしてるっぽい。

仕事柄、会長夫妻のボディーガード兼秘書をしている本田は、格闘・武術の腕もかなりの腕前。
空手や柔道、剣道、合気道といったものの大会で優勝経験もあり、国際大会でも優勝経験がある。

彼氏より彼女の方が腕が立つという、ちょっとアンバランス的な関係性。
だからこそ、本田は沢田に対していつでも一歩引いている感じがする。

お互いに想い合ってるのだから、気にしなくてもいいものを。


「ここで時間潰してもなんだから、行くとするか」
「そうね」

俺の言葉に反応するように、杏花は腰を上げた。

「沢田さん、早苗さん、行きましょ?」
「行くって、どこに?」
「行けば分かります、ウフフッ」
「……杏花様??」

杏花が本田の腕を掴み、カフェの外へと連れ出す。