「おはよう」
今までと何ら変わりない笑顔で、瀬名くんはそう言った。
「お、おはよ・・・」
吸血をやめようと話してから、初めて顔を合わす朝。
吸血をしなかった、初めての月曜日の朝。
瀬名くんが登校してくるまで、私はどういう顔をしようかってそわそわしていたけど、拍子抜けするほどいつも通りだった。
「凜ちゃんもおはよー」
「おっはー!瀬名くん!」
私の席に来て雑談していた凜に対しても、瀬名くんは変わらず挨拶をした。そして何事もなかったかのようにいっしょに来た女の子たちとの会話に戻る。
(びっくりするくらい・・・いつも通りだ・・・)
別に、何か特別な反応を期待していたわけじゃない。
むしろ隣の席なんだから、どうしたって授業中は関わり合わないといけないわけで、だとすると気まずくなるより今まで通りの付き合い方でいるほうがずっといいに決まっている。
だけど・・・、
二人だけの秘密がなくなることに納得しきれていないのは私だけなのかって、ちょっとだけそう思ってしまった。
自分から切り出しておいて、って感じではあるけど・・・。
「でさぁ、そんときに海がさぁ・・・って、聞いてるー?あかり」
「えっ!あっ、何!?」
「もー!聞いてなかったでしょ!」
「ごめんごめん」
凜に手を合わせて謝ると、むぅっと凜はわざとらしく膨れてみせた。
凜に話を聞き返そうとしたタイミングで、音央ちゃんに話しかけられた。
「ねー!あかり、凜、ちょっと相談!」
「ん?」
音央ちゃんは私の席に駆け寄ってきた。
「もうちょっとで期末テストじゃん?そんで今さぁ、ののと愛架と勉強会しよって話してんだけどさ」
そういえば今週の金曜日からテスト二週間前でテスト期間になる。
もうそんな時期か。
凜もテストのことなんて一切気にしてなかったのか、慌てて今月の予定表をひっぱりだして確認し始める。
「三人ともアホだからさー、勉強会っていうからにはちゃんと頭いい人連れてこようって話になってんの」
「・・・・え、それを私と凜に頼もうとしてる?」
「そう!」
私と凜は顔を見合わせた。
凜は勉強会、って単語が出たとたん、渋い顔をした。
「あたし・・・誰かに教えられるほど頭よくない・・・ってか教えてもらいたいくらい・・・」
「まじぃ?凜もアホなんだ」
「ちょっ、その言い方やめてよ音央」
凜はそういった後、私のほうを向きなおった。
「ただまあご安心を!うちのあかりはちゃんとイメージ通り頭いいんで!なんならあたしは毎回テスト期間にあかりのお世話になってるし!」
「お~!じゃああかりが先生になってよ!」
「そうそう!ついでにあたしもその勉強会行く~!」
凜と音央ちゃんから期待のまなざしを向けられて、私はたじろいだ。
「・・・り、理系科目はちょっと自信ないかも・・・」
「大丈夫!あかりの「自信ない」はあたしの「自身ある」に相当するから!」
と、凜にわけのわからない後押しをされ・・・。
そんなこんなで、五人で勉強会を開くことになった。
凜はテスト一週間前まで部活があるらしく平日は無理そうだということで、今週の土曜日に開催が決まった。
今までと何ら変わりない笑顔で、瀬名くんはそう言った。
「お、おはよ・・・」
吸血をやめようと話してから、初めて顔を合わす朝。
吸血をしなかった、初めての月曜日の朝。
瀬名くんが登校してくるまで、私はどういう顔をしようかってそわそわしていたけど、拍子抜けするほどいつも通りだった。
「凜ちゃんもおはよー」
「おっはー!瀬名くん!」
私の席に来て雑談していた凜に対しても、瀬名くんは変わらず挨拶をした。そして何事もなかったかのようにいっしょに来た女の子たちとの会話に戻る。
(びっくりするくらい・・・いつも通りだ・・・)
別に、何か特別な反応を期待していたわけじゃない。
むしろ隣の席なんだから、どうしたって授業中は関わり合わないといけないわけで、だとすると気まずくなるより今まで通りの付き合い方でいるほうがずっといいに決まっている。
だけど・・・、
二人だけの秘密がなくなることに納得しきれていないのは私だけなのかって、ちょっとだけそう思ってしまった。
自分から切り出しておいて、って感じではあるけど・・・。
「でさぁ、そんときに海がさぁ・・・って、聞いてるー?あかり」
「えっ!あっ、何!?」
「もー!聞いてなかったでしょ!」
「ごめんごめん」
凜に手を合わせて謝ると、むぅっと凜はわざとらしく膨れてみせた。
凜に話を聞き返そうとしたタイミングで、音央ちゃんに話しかけられた。
「ねー!あかり、凜、ちょっと相談!」
「ん?」
音央ちゃんは私の席に駆け寄ってきた。
「もうちょっとで期末テストじゃん?そんで今さぁ、ののと愛架と勉強会しよって話してんだけどさ」
そういえば今週の金曜日からテスト二週間前でテスト期間になる。
もうそんな時期か。
凜もテストのことなんて一切気にしてなかったのか、慌てて今月の予定表をひっぱりだして確認し始める。
「三人ともアホだからさー、勉強会っていうからにはちゃんと頭いい人連れてこようって話になってんの」
「・・・・え、それを私と凜に頼もうとしてる?」
「そう!」
私と凜は顔を見合わせた。
凜は勉強会、って単語が出たとたん、渋い顔をした。
「あたし・・・誰かに教えられるほど頭よくない・・・ってか教えてもらいたいくらい・・・」
「まじぃ?凜もアホなんだ」
「ちょっ、その言い方やめてよ音央」
凜はそういった後、私のほうを向きなおった。
「ただまあご安心を!うちのあかりはちゃんとイメージ通り頭いいんで!なんならあたしは毎回テスト期間にあかりのお世話になってるし!」
「お~!じゃああかりが先生になってよ!」
「そうそう!ついでにあたしもその勉強会行く~!」
凜と音央ちゃんから期待のまなざしを向けられて、私はたじろいだ。
「・・・り、理系科目はちょっと自信ないかも・・・」
「大丈夫!あかりの「自信ない」はあたしの「自身ある」に相当するから!」
と、凜にわけのわからない後押しをされ・・・。
そんなこんなで、五人で勉強会を開くことになった。
凜はテスト一週間前まで部活があるらしく平日は無理そうだということで、今週の土曜日に開催が決まった。