次の日。
私は朝から気分が沈んでいて、正直学校なんて行く気になれなかった。
だからって休むわけにもいかない。
きっと凜にも瀬名くんにも、また心配をかけてしまう。
私は鉛のように重い足をどうにか動かし、珍しく授業開始ぎりぎりに登校した。
「あかり!あんまり遅いから今日来ないつもりかと思ったよ〜!」
「あはは・・・ごめんごめん。アラームかけ忘れただけだよ」
凜に返事をしながら、横目で瀬名くんを探した。
昨日の今日だ、どんな風に挨拶をすればいいのかわからない・・・。
普段通りに挨拶をして、余計な会話はせずに席につく。
それでいいんだ、それで。
「瀬名くんも今日休みっぽいしさぁ!これであかりまで休まれたらあたし昨日余計なことしちゃったかなって病むとこだった・・・!」
「・・・えっ」
「ん?」
「きょ・・・っ、今日、瀬名くん休みなの!?」
「え、うん・・・・」
瀬名くんが休み?なんで・・・?
気を遣わせてしまったのだろうか、私が急にいろいろ言って悩ませてしまったのだろうか。
その後の一時間目の英語は全く頭に入ってこなかった。
一時間目が終わったあと、私はすぐに職員室に向かった。
「し、失礼します・・・っ」
挨拶もそこそこに、担任の先生の机に向かう。
「せ、先生・・・っ」
「おー九鬼じゃないか、そんな焦ってどうした?」
「あのっ、瀬名くんって、今日どうして休んでいるんですか・・・っ?」
「瀬名か?あー、それがな・・・」
先生は渋い顔をして話してくれた。
「あいつ、欠席連絡入ってないんだ。ったく、無断欠席は内申に響くってのに・・・」
「無断・・・」
私は呆然とただ繰り返した。
「九鬼はあいつの隣だったよな?申し訳ないが、明日来たときのために、ノートとかとっておいてやってくれ」
先生の言葉も、どこか遠く聞こえた。
(瀬名くん・・・どうしちゃったの・・・?)
私が心の中で呼びかけた瞬間、後ろから肩を叩かれた。
「九鬼さん、少しどいてくれるか」
「!!」
振り返ると、そこにはチカラさんがいた。
「チ、チカラさ・・・」
「先生」
チカラさんは私を無視して、先生に話しかけた。
「涼我・・・あ、瀬名涼我のことなんですが、今日の登校中に倒れまして」
「え、倒れた!?大丈夫なのか!?」
「俺がいっしょに登校してたので、俺の親に連絡して瀬名は病院に連れて行ってもらいました。大きな病気などではなく、ただの貧血みたいです」
ただの貧血、という言葉に、先生はほっと息をついた。
「登校したあとそのまま授業に出てしまったので連絡が遅くなってしまい・・・・すみませんでした」
「いや大丈夫だ。むしろ連絡してくれてありがとう」
「いえ」
チカラさんは最低限のことだけを伝えきると会話を終わらせ、先生に軽く会釈をした。
そして立ち去る直前、私の耳元に口元を寄せた。
「あとで話がある。昼休みに職員玄関の前に来てくれ」
「・・・はい」
そのときのチカラさんの声は・・・聞いたことがないくらい冷たかった。
その冷たさが私に、大きな過ちを犯したんだと、突きつけてくるようだった。
私は朝から気分が沈んでいて、正直学校なんて行く気になれなかった。
だからって休むわけにもいかない。
きっと凜にも瀬名くんにも、また心配をかけてしまう。
私は鉛のように重い足をどうにか動かし、珍しく授業開始ぎりぎりに登校した。
「あかり!あんまり遅いから今日来ないつもりかと思ったよ〜!」
「あはは・・・ごめんごめん。アラームかけ忘れただけだよ」
凜に返事をしながら、横目で瀬名くんを探した。
昨日の今日だ、どんな風に挨拶をすればいいのかわからない・・・。
普段通りに挨拶をして、余計な会話はせずに席につく。
それでいいんだ、それで。
「瀬名くんも今日休みっぽいしさぁ!これであかりまで休まれたらあたし昨日余計なことしちゃったかなって病むとこだった・・・!」
「・・・えっ」
「ん?」
「きょ・・・っ、今日、瀬名くん休みなの!?」
「え、うん・・・・」
瀬名くんが休み?なんで・・・?
気を遣わせてしまったのだろうか、私が急にいろいろ言って悩ませてしまったのだろうか。
その後の一時間目の英語は全く頭に入ってこなかった。
一時間目が終わったあと、私はすぐに職員室に向かった。
「し、失礼します・・・っ」
挨拶もそこそこに、担任の先生の机に向かう。
「せ、先生・・・っ」
「おー九鬼じゃないか、そんな焦ってどうした?」
「あのっ、瀬名くんって、今日どうして休んでいるんですか・・・っ?」
「瀬名か?あー、それがな・・・」
先生は渋い顔をして話してくれた。
「あいつ、欠席連絡入ってないんだ。ったく、無断欠席は内申に響くってのに・・・」
「無断・・・」
私は呆然とただ繰り返した。
「九鬼はあいつの隣だったよな?申し訳ないが、明日来たときのために、ノートとかとっておいてやってくれ」
先生の言葉も、どこか遠く聞こえた。
(瀬名くん・・・どうしちゃったの・・・?)
私が心の中で呼びかけた瞬間、後ろから肩を叩かれた。
「九鬼さん、少しどいてくれるか」
「!!」
振り返ると、そこにはチカラさんがいた。
「チ、チカラさ・・・」
「先生」
チカラさんは私を無視して、先生に話しかけた。
「涼我・・・あ、瀬名涼我のことなんですが、今日の登校中に倒れまして」
「え、倒れた!?大丈夫なのか!?」
「俺がいっしょに登校してたので、俺の親に連絡して瀬名は病院に連れて行ってもらいました。大きな病気などではなく、ただの貧血みたいです」
ただの貧血、という言葉に、先生はほっと息をついた。
「登校したあとそのまま授業に出てしまったので連絡が遅くなってしまい・・・・すみませんでした」
「いや大丈夫だ。むしろ連絡してくれてありがとう」
「いえ」
チカラさんは最低限のことだけを伝えきると会話を終わらせ、先生に軽く会釈をした。
そして立ち去る直前、私の耳元に口元を寄せた。
「あとで話がある。昼休みに職員玄関の前に来てくれ」
「・・・はい」
そのときのチカラさんの声は・・・聞いたことがないくらい冷たかった。
その冷たさが私に、大きな過ちを犯したんだと、突きつけてくるようだった。