【海くんside】
もう耐えきれない。
もう限界だ。
これ以上あかりさんの前にいたら、きっと恥ずかしさで死んでしまう。
思うが早いか俺は教室を飛び出していた。
(言っ・・・・・ちゃった・・・・ど、どどどうしよう・・・・!)
テンパりすぎて真っ赤になりながら廊下を全速力で駆けてしまい、みち行く人の注目を集めてしまってあわてて足を止める。
はやる気持ちを抑えつつ、歩いて姉ちゃんのいるであろう屋台に向かう。
(いた・・・!!)
姉ちゃんは何やら作業をしていたが、お構い無しに駆け寄る。
「ね・・・・っ!ねえちゃ・・・お、おれさ!」
「うぉっ!急に何!海!」
姉ちゃんは突然現れた俺に一瞬面食らったが、すぐにはっとして説経を始めた。
「あっあんた!あかり一人にしてんの!?もー!こういうときにがんばんないでどうすん————」
「言・・・・」
「おん?」
「言っちゃった・・・・」
姉ちゃんは怪訝そうに口を開きかけたが、俺の顔を見て気づいたらしい。
たぶん俺は今端から見てわかるくらい赤面してるから。
「・・・・い、言ったって・・・ま、まさか・・・」
俺が遅ばせながらうなずいたのを見て、姉ちゃんは目を見開いた。
「こっ!こんな忙しいときにぃぃぃ!!もー!しょーがない弟だー!!」
姉ちゃんはそう言って手に持っていたトングやらお盆やらをテーブルに放りだして屋台の中に向かって叫ぶ。
「先輩!弟が人生の分岐点に立ってるんでちょっと抜けます!!」
「はぁ〜!?このめちゃくちゃ忙しいときに!?」
「ごめんなさーい!!あとでパフェ代うちのクラス全員分貢献しますからぁ!!」
「ならよし!!」
姉ちゃんは俺の方を向き直る。
「海!お姉ちゃんに事の顛末を聞かせてみなさい!」
姉ちゃんは俺を屋台が並んだスペースの端っこに連れてきた。
「言ったって・・・・告白したってことでいいんだよね?」
「・・・うん」
姉ちゃんは俺の返事を聞いて、にっと笑ったかと思うと頭をなでてきた。
「よくやった!」
「上司かよ・・・」
「だってぇ!あの長年こじらせてた海が告白するなんて!!もうお姉ちゃん感動で泣きそう・・・!」
姉ちゃんはほんとにちょっと涙ぐんだ感じでそう言ってきた。
「ち、ちなみに・・・あかりはなんて・・・?」
「いや・・・なんか急だったからあかりさん困ってて・・・・とりあえず学園祭終わったらデートして決めてくださいって言ってきた」
「デート!デート!!ど、どこに行くの!?」
「まだ決めてねぇ」
「ど、どうしようどうしよう!?やっぱ映画!?でもつまんなかったら気まずいよね!?でもご飯は緊張してて会話もたなかったらやばいし————」
「姉ちゃん落ち着け、姉ちゃんが告白したわけじゃねぇから」
自分より焦っている人を見ると落ち着くっていうのは本当みたいだ。
さっきまでどきどきして駆け出しそうなぐらい落ち着かなかったのに、姉ちゃんと話してたら落ち着いてきた。
「・・・・てか動揺してたとはいえ姉ちゃんに相談しなきゃよかった・・・」
「え〜!?なんでさぁ!あたしは中学生にもなってお姉ちゃんに恋愛相談してくる海がだ〜いすき!!」
「そうやっていじってくるからだよ!!」
姉ちゃんはけらけら笑うと、俺の背中を大きく一つ叩いた。
「お疲れ海!パフェ奢ったげる!」
「だから甘いの嫌いなんだっつーの!」
もう耐えきれない。
もう限界だ。
これ以上あかりさんの前にいたら、きっと恥ずかしさで死んでしまう。
思うが早いか俺は教室を飛び出していた。
(言っ・・・・・ちゃった・・・・ど、どどどうしよう・・・・!)
テンパりすぎて真っ赤になりながら廊下を全速力で駆けてしまい、みち行く人の注目を集めてしまってあわてて足を止める。
はやる気持ちを抑えつつ、歩いて姉ちゃんのいるであろう屋台に向かう。
(いた・・・!!)
姉ちゃんは何やら作業をしていたが、お構い無しに駆け寄る。
「ね・・・・っ!ねえちゃ・・・お、おれさ!」
「うぉっ!急に何!海!」
姉ちゃんは突然現れた俺に一瞬面食らったが、すぐにはっとして説経を始めた。
「あっあんた!あかり一人にしてんの!?もー!こういうときにがんばんないでどうすん————」
「言・・・・」
「おん?」
「言っちゃった・・・・」
姉ちゃんは怪訝そうに口を開きかけたが、俺の顔を見て気づいたらしい。
たぶん俺は今端から見てわかるくらい赤面してるから。
「・・・・い、言ったって・・・ま、まさか・・・」
俺が遅ばせながらうなずいたのを見て、姉ちゃんは目を見開いた。
「こっ!こんな忙しいときにぃぃぃ!!もー!しょーがない弟だー!!」
姉ちゃんはそう言って手に持っていたトングやらお盆やらをテーブルに放りだして屋台の中に向かって叫ぶ。
「先輩!弟が人生の分岐点に立ってるんでちょっと抜けます!!」
「はぁ〜!?このめちゃくちゃ忙しいときに!?」
「ごめんなさーい!!あとでパフェ代うちのクラス全員分貢献しますからぁ!!」
「ならよし!!」
姉ちゃんは俺の方を向き直る。
「海!お姉ちゃんに事の顛末を聞かせてみなさい!」
姉ちゃんは俺を屋台が並んだスペースの端っこに連れてきた。
「言ったって・・・・告白したってことでいいんだよね?」
「・・・うん」
姉ちゃんは俺の返事を聞いて、にっと笑ったかと思うと頭をなでてきた。
「よくやった!」
「上司かよ・・・」
「だってぇ!あの長年こじらせてた海が告白するなんて!!もうお姉ちゃん感動で泣きそう・・・!」
姉ちゃんはほんとにちょっと涙ぐんだ感じでそう言ってきた。
「ち、ちなみに・・・あかりはなんて・・・?」
「いや・・・なんか急だったからあかりさん困ってて・・・・とりあえず学園祭終わったらデートして決めてくださいって言ってきた」
「デート!デート!!ど、どこに行くの!?」
「まだ決めてねぇ」
「ど、どうしようどうしよう!?やっぱ映画!?でもつまんなかったら気まずいよね!?でもご飯は緊張してて会話もたなかったらやばいし————」
「姉ちゃん落ち着け、姉ちゃんが告白したわけじゃねぇから」
自分より焦っている人を見ると落ち着くっていうのは本当みたいだ。
さっきまでどきどきして駆け出しそうなぐらい落ち着かなかったのに、姉ちゃんと話してたら落ち着いてきた。
「・・・・てか動揺してたとはいえ姉ちゃんに相談しなきゃよかった・・・」
「え〜!?なんでさぁ!あたしは中学生にもなってお姉ちゃんに恋愛相談してくる海がだ〜いすき!!」
「そうやっていじってくるからだよ!!」
姉ちゃんはけらけら笑うと、俺の背中を大きく一つ叩いた。
「お疲れ海!パフェ奢ったげる!」
「だから甘いの嫌いなんだっつーの!」