数日後。

ういははますます痩せて、声を出すのも辛くなっていた。
それでも、百合は毎日病室に通い続けていた。

「ねえ、百合」

「ん?」

「百合って…ほんとは怖くないの?」

「何が?」

「私がこのまま、いなくなるかもしれないってこと」

一瞬、病室の空気が止まった。

「…怖いに決まってるじゃん」

百合はうつむいて、拳をぎゅっと握った。

「でも、私はういはが生きてる限り、希望を捨てたくない。
たとえ今日が最後の日でも、笑ってたいって思ってる」

「そんなの…ずるいよ」

「ずるくてもいいよ。
私は、ういはのそばにいるって決めたから」

その日、ういはは小さな声で「ありがとう」って呟いた。