(気のせいならそれでいいんだ! あいつの勘違いなら――)

 俺はいてもいてもたってもいられず、塾への道を走っていた。


 コンビニで俺に突然話しかけてきたミコトは、塾での出来事を教えてくれた。

「あの三隅って子。靴、隠されてたんだよね」
「は……? 嘘だろ?」

 俺は最初、ミコトが嘘をついていると思った。俺が気になりそうなことを言って、自分を見てもらおうとする女の子はこれまで何人もいたし。