あふれそうだった私の不安は、理不尽な怒りになって真智さんに向かっていった。

「話すことは特にないです! 私がどうしようと、真智さんには関係ないじゃないですか!」
「で、でも――」
「真智さんは本当のママじゃないくせに! 心配される筋合いはないです!」

 シン……とその場が静まりかえる。
 私はハッと口を抑えた。

「……あ」

 それは絶対に言ってはいけない言葉。
 私だってそれくらい知っていた。

 でも、私の気持ちは抑えられなくて、鋭い刃のように真智さんに飛んで行ってしまった。

「ご、ごめんなさ――」

 スッと血の気が引いた私は、慌てて真智さんに謝ろうとした。
 だけど、真智さんの言葉が、それを遮った。

「ええ。柚里葉さんの言う通り、私はあなたのママじゃないわ」
「えっ……」

 私は思わず顔を上げた。
 真智さんの真面目な顔が私を見ている。