言い終わって自分の言葉にガッカリしていると、蒼くんの声が返ってきた。
「なんで謝るの」
優しい声。
「柚里葉ちゃんは謝ることなにもしてないから」
私を優しく包んでくれるような声だった。
「あ、でも一つあったかも」
「え?」
私の肩がびくっと揺れる。でもその緊張もすぐに解けた。
「心配かけたこと」
そう言った蒼くんの声は厳しかったけど、温かくもあった。
「同じ家にいるのに、顔が見えないってすごく心配する。ごはんも一緒に食べないし、今日だけじゃなくていつも心配だった」
「それは……」
顔を合わせるのは気まずい。
〝HAL〟の顔を知られていたとしても、パパ以外と顔を合わせて喋るのは私にとってはとても難しいことだ。
でもそんな迷いはすぐに消え去った――。