「ううん! 違うよ!」
私は否定していた。
だって蒼くんの苦しそうな言葉は、もう聞きたくなかったから。
「私の方こそ、突然逃げ出してごめんなさい」
私にとって〝HAL〟であることがパパ以外に知られるのは、すごく抵抗がある。
(唯一、顔を隠さなくていい場所を知られたくなかったから)
でも蒼くんになら――って思ったんだ。それが期待なのか、信頼なのか……それ以外の気持ちなのかはわからないけど。
「私、人と話すの苦手で……。本当はもっとちゃんと話したくて……でもネットだと大丈夫だから、だから〝HAL〟の配信を始めて……とにかくごめんなさい!」
なんて支離滅裂……っ!
(何を言いたいか全然わからないー!)