あまりにも意外すぎて言葉に詰まっている私に、蒼くんは何かを決意したように告げた。
「……柚里葉ちゃんに信頼してほしいんだ。約束は絶対守るし、柚里葉ちゃんのことも俺が守るから」
――ドキッ……
胸の奥で心臓が大きな音を立てた。
「もし誰かが柚里葉ちゃんを傷つけるようなことしたら、俺が盾になる。大切な家族を傷つけるなんて許さない」
私はそれを聞いてもまだ声が出なかった。でも、ボロボロ涙がこぼれて、床にぱたぱた音を立てて落ちる。
(守って、くれる……)
蒼くんの言葉は、私が今一番欲しかったものだった。
「……ありがとう」
私の声は涙声だ。ドア越しにも絶対泣いているのはバレているはず。
でも蒼くんはそのことを少しも口に出さないで、静かに語り始めた。
「俺の話、してもいい?」