「え? は、はい……」

 突然の質問に驚きながらも、私は頷いた。

 真智さんの目は優しい。

 いつの間にか顔を隠すことを忘れていた私の顔が、真智さんの瞳に映っている。

 真智さんは次に蒼くんに顔を向けた。

 私に向けたのとは全然違う、厳しい顔だった。

「蒼。もし手放したりしたら、親子の縁を切るからね」
「……わかってるって」

 少しムッとしながらも、蒼くんは真面目な声で答えた。