――再婚を止める?

 真っ白になった頭の中に真智さんの言葉がリフレインする。

「え……、ど、どういうこと」

「待てよ。急にどういうことだよ!」

 私の声に重なったのは蒼くんの声だ。

 蒼くんの怒ったような声に真智さんの目からぽとりと涙が一粒落ちた。

「今話したとおりよ。私と巧さんは結婚しないの」

 憔悴した様子にも関わらず、きっぱりと言い切った真智さんの隣でパパは黙ったままだった。