蒼くんに「好き」と言われたことは現実のはず。

 でもなんだか遠い過去のような、夢のような気がしてきた。

(それならそれでいいんだ……。だって私たちは――)

 私はそこでもう考えるのを止めた。

 だって明日からはまた、変わらない毎日が始まるんだから。

 ――この時の私は、そう信じて疑わなかったんだ。

 次の日の朝、パパと真智さんの顔を見るまでは……。