蒼くんの手が火傷するくらいに熱くなっていた。

(蒼くんが私のことを……好き?)

 ゆっくり理解しはじめると、足の先から震えるくらいの嬉しさがこみ上げてくる。

(どうしよう、嬉しい……)

 この嬉しさが蒼くんに伝わればいいのに。そう思った途端、フッとよぎったのは不安。

「……でも、私。全然だめな子で――」

 学校も仕事も勉強も、全部なんでもできちゃう蒼くんに比べて、私は――。

「暗いし、コミュ障だし……学校にだっていけてないのに」

(そんな私は蒼くんに好きになってもらえる資格なんてない……)

 それに――

「私たち、家族になるんだよ……?」