私たちのいる部屋に近づいてきたその人は、私と同じくらいの男の子だった。厚めの前髪は栗毛のおかげで重く見えず、丸い瞳と合わさって優しげ印象を受ける。
(あれ、この子。どこかで見たことが……)
「――ああ、蒼。こっちよ」
真智さんが立ち上がってその子を呼んだ。真智さんの声が聞こえると、男の子はパッと表情を輝かせて小走りで近づいてきた。
(わっ、背高い……)
近くでみたその子は思ったよりも背が高かった。顔も小さくて、手足も長い。まるでモデルだ。
(ん? モデル……?)
私の頭の中に浮かんだ疑問はすぐに答えが出た。
「はじめまして、榛名蒼です」
――榛名、蒼。ハルナアオイ。アオイ……
「蒼くんって、え? もしかしてモデルの……」
私が思わず声を上げると、蒼くんはニコッと笑顔を見せた。
「そう、俺〝アオイ〟って名前でモデルやっててさ」
さっきスマホで見たばかりだったのに、どうしてすぐに思い出せなかったんだろう。
「柚里葉が恥ずかしがるといけないと思って教えてなかったんだよ」
目を白黒させている私にパパが申し訳なさそうに言った。けどすぐにいいことを思いついた、というような顔になって――
「柚里葉も教えたらどうだ? お前もはい――」
「ワーッ! ワーワーッ!!」
なんでそうなるの! 慌てて私はパパの声を遮った。私が配信者をしているってことは、絶対に内緒なのに!
(あれ、この子。どこかで見たことが……)
「――ああ、蒼。こっちよ」
真智さんが立ち上がってその子を呼んだ。真智さんの声が聞こえると、男の子はパッと表情を輝かせて小走りで近づいてきた。
(わっ、背高い……)
近くでみたその子は思ったよりも背が高かった。顔も小さくて、手足も長い。まるでモデルだ。
(ん? モデル……?)
私の頭の中に浮かんだ疑問はすぐに答えが出た。
「はじめまして、榛名蒼です」
――榛名、蒼。ハルナアオイ。アオイ……
「蒼くんって、え? もしかしてモデルの……」
私が思わず声を上げると、蒼くんはニコッと笑顔を見せた。
「そう、俺〝アオイ〟って名前でモデルやっててさ」
さっきスマホで見たばかりだったのに、どうしてすぐに思い出せなかったんだろう。
「柚里葉が恥ずかしがるといけないと思って教えてなかったんだよ」
目を白黒させている私にパパが申し訳なさそうに言った。けどすぐにいいことを思いついた、というような顔になって――
「柚里葉も教えたらどうだ? お前もはい――」
「ワーッ! ワーワーッ!!」
なんでそうなるの! 慌てて私はパパの声を遮った。私が配信者をしているってことは、絶対に内緒なのに!