密かにショックを受けている私に、ミコトちゃんは真面目な顔を向けてきた。

「最初に会った時からそうかもって思ってた」
「へ?」

 ミコトちゃんが話し始めたのは、私の想像とは全然違うことだった。

「初めてあった時に、HALちゃん靴探していたでしょ? あの時の声聞いて、絶対そうだって確信したんだ。私がHALちゃんの声を聞き間違えるはずないし……」
「そ、そうだったんだ」

(疑ってごめん、蒼くん!)

 てっきり蒼くんが話しちゃったのかと思っていた私は、心の中で蒼くんに謝った。

 私がホッとしていると、ミコトちゃんはボソッと呟いた。

「だからアオイくんに聞いてみたんだけど、あの人全然話聞いてくれないし。もしかしてアオイくんもHALちゃんに気づいてないのかな?」

(……蒼くん、ちゃんと内緒にしててくれたんだ。知らない演技までしてくれて、なんだか嬉しいな)

 蒼くんはちゃんと約束を守ってくれていた。それだけで私の心はふわっと軽くなる。