「……ちょっと待って。それって、学校に行ったら本物の南くんに会えるってこと?」

「だろーな」

「そういうことは、もっと早く言ってよね」

 ブレザーのポケットから鏡を取り出すと、せっせと前髪を整える。


 いや、目の前にいるのはただの昴だけどね?

 だって、いつ南くんに会えるかわからないじゃない!?


 そんなわたしを、昴は呆れた顔で見つめていた。