わたしは昴のファンじゃない!

 恥ずかしそうな笑みをわたしに向けたあと、今度は少し緊張したような表情を浮かべ、昴がもう一度口を開いた。

「ちゃんと千夏を守りきれる自分になれたら……ちゃんと言うから。だからさ、それまで御守り代わりに持ってて」

 昴の言葉に、わたしは手の中のペンダントをぎゅっと握りしめた。

「わたし、別に昴に守ってほしいわけじゃないから」

 思わず突き放すような言い方をしてしまった自分を殴りつけてやりたい。


 ちがうの。そうじゃなくて……。


「わたしはね、悪ガキのままの昴のことが大好きなんだよ?」

 堪えきれなくなった心の声が、ポロリとこぼれ落ちる。