ほら、やっぱり。昴は昴だよ。幼稚園の頃から全然変わってない……。
気付かないうちに昴の頬の近くにまで伸ばしていた指先を、きゅっと引っ込めた。
なにしようとしてたんだろ、わたし。
そのとき。
昴の左手に、手のひらサイズのエッフェル塔の置物が握られているのが目に入った。
「だから! いらないって言ったでしょ」
ふふっと声を立てて笑うと、
「遠慮せずに受け取れって」
不意にしたその声に、ドキンッ! と心臓が大きく跳ねる。
「お、起きてるなら起きてるってちゃんと言ってよね」
「千夏がこんな近くにいるのに、落ち着いて寝てられるわけねえだろ」
ゆっくりと上半身を起こすと、左手の置物をぐいっと押しつけてきた。
「だからいらないって……」
「そ。じゃあ、いいや。俺の宝物にしよっと」
そう言いながら、あっさりと置物をカバンの中に突っ込んでしまった。
気付かないうちに昴の頬の近くにまで伸ばしていた指先を、きゅっと引っ込めた。
なにしようとしてたんだろ、わたし。
そのとき。
昴の左手に、手のひらサイズのエッフェル塔の置物が握られているのが目に入った。
「だから! いらないって言ったでしょ」
ふふっと声を立てて笑うと、
「遠慮せずに受け取れって」
不意にしたその声に、ドキンッ! と心臓が大きく跳ねる。
「お、起きてるなら起きてるってちゃんと言ってよね」
「千夏がこんな近くにいるのに、落ち着いて寝てられるわけねえだろ」
ゆっくりと上半身を起こすと、左手の置物をぐいっと押しつけてきた。
「だからいらないって……」
「そ。じゃあ、いいや。俺の宝物にしよっと」
そう言いながら、あっさりと置物をカバンの中に突っ込んでしまった。