「千夏? ……と、南?」

 学校の最寄り駅の改札前で、背後から困惑した声が聞こえ、ビクッと肩が跳ねる。

「じゃあ、僕はもう行くから。気を付けて帰るんだよ」

 そう言うと、南くんはひとりで改札を抜け、わたしが普段使っているのとは反対側のホームへとあがっていった。


「なんでアイツといんだよ」

 すぐうしろで、昴の不機嫌そうな声がする。

「昴には関係ないでしょ」

 そう言うと、わたしはカバンから定期を出して改札を抜けた。

「関係なくたって、聞くぐらい別にいいだろ」

 わたしを追って改札を抜けた昴が、横を歩きながら言う。