ハートがバキバキ鳴ってるの!

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 浅野くんの突然の退部から二日後、水曜日。文化祭当日まであと四日。

「てっちゃんは寄るところがあって十五分くらい遅れてくるってさ。ということで全員揃うまでは個人練。みかるんは『閃光夏休み』のソロを優先して練習お願いね!」
 
 思いがけないトラブルにショックを受けていたって、時間は待ってくれない。
 あたしたちは残った四人で文化祭に向けて練習を続けた。
 当日のギターの音は、モニ先輩が作曲の時に打ち込んだ機械音源から抜き出して再生することになった。
 
「まあ、いろいろあったけど、来てくれるお客さんに楽しんでもらえるように頑張らないとな!」
 セラ先輩の言葉にモニ先輩がうなずく。
「うん、そうね。今の私たちにできる最高の演奏をしよう」

 作曲ソフトに打ち込まれたギターの音と一緒に、文化祭に向けて最後の追い込み練習に入った。
 機械が鳴らす音は常に正確で、楽譜通りで。
 だけど、どこか物足りない。
 倉庫に足を踏み入れるたび、ぽつんと立てかけられた紺色のギターが目に入って、魂を半分くり抜かれたような気持ちになった。