※ ※ ※
月曜日は定期活動日ではないけれど、本番六日前ということで五人で集まって練習することになっていた。
ところが、練習開始の時間になっても浅野くんが部室に現れなかった。
「浅野くんが遅刻なんて珍しいですね」
テツ先輩の言う通りだ。
セラ先輩はときどき女の子に捕まって遅刻するし、モニ先輩は教室で忘れ物したとかで遅れてきたりするけど、浅野くんの遅刻は見たことない気がする。
それぞれ個人練しながら五分ほど待っていると、引き戸の開く音がした。
「遅いよジオ! 早く早くー!」
モニ先輩が急かしたけれども、浅野くんは謝罪一つなくうつむいたまま入り口を閉めた。
どうしたんだろう……?
浅野くんが無口なのは普段通りだ。
だけど、今日はいつもの「そっけない」感じとは違って、見るからに「暗い」。
「どうした? 早く練習しようぜ!」
セラ先輩が呼びかけても、無反応なままの浅野くん。
ゆっくりと開かれたその口から、か細い声が漏れ出た。
「突然すみません。おれ、今日で軽音部を辞めることになりました」
月曜日は定期活動日ではないけれど、本番六日前ということで五人で集まって練習することになっていた。
ところが、練習開始の時間になっても浅野くんが部室に現れなかった。
「浅野くんが遅刻なんて珍しいですね」
テツ先輩の言う通りだ。
セラ先輩はときどき女の子に捕まって遅刻するし、モニ先輩は教室で忘れ物したとかで遅れてきたりするけど、浅野くんの遅刻は見たことない気がする。
それぞれ個人練しながら五分ほど待っていると、引き戸の開く音がした。
「遅いよジオ! 早く早くー!」
モニ先輩が急かしたけれども、浅野くんは謝罪一つなくうつむいたまま入り口を閉めた。
どうしたんだろう……?
浅野くんが無口なのは普段通りだ。
だけど、今日はいつもの「そっけない」感じとは違って、見るからに「暗い」。
「どうした? 早く練習しようぜ!」
セラ先輩が呼びかけても、無反応なままの浅野くん。
ゆっくりと開かれたその口から、か細い声が漏れ出た。
「突然すみません。おれ、今日で軽音部を辞めることになりました」