ハートがバキバキ鳴ってるの!

 それから橋乃口くんやその仲良しの男子たちは、宣言通りあたしのことを「ユビナガオンナ」と呼ぶようになった。

 次の日から、いろんなことが起こった。
 休み時間のあと席に戻ったら、机の上にあたしの似顔絵(指のすごく長い手とセットだった)が書かれていたり。
 テストでイマイチな点数を取るたびに「指の長さがおかしいから鉛筆がきちんと持てないんだろ?」とか言われたり。

 そういうとき、どう反応したらいいのかよくわからなくて。
 自分の気持ちにうまく名前をつけることもできなくて。

 ただ一つだけ、あたしの中ではっきりしたことがあった。
 それは、「できないこと」に無理してチャレンジするべきではないということ。
 向いていないことに挑戦したら、失敗して笑われるし、他の人に迷惑をかけてしまうこともある。 
 
 変なあだ名で呼ばれるのも、机に落書きされるのも。
 元はと言えば、餃子作りでしゃしゃり出たあたしが悪いんだ。