ハートがバキバキ鳴ってるの!

 ※ ※ ※

「舞ちゃーん! 今度の日曜日空いてたら一緒に勉強しない?」
 教室に戻るなり早速、読書中の舞ちゃんの顔を覗き込んだ。

「追試をすることになったか、特別課題が出たか、どっち?」
「二番目のほうです……」
 さすが舞ちゃん、あたしの魂胆はお見通しだ。

「ごめん、その日はタクマくんと約束あるから」
 まーたタクマくんか!
「じゃあ、土曜の部活終わったあととか」
「ごめん、そこは塾の体験に行くの」
「どうして! いいよそんなの行かなくて! 舞ちゃんは今だってずっと学年トップなんだから!」
「みかるが決めることじゃないでしょ」
 平坦な口調でそう言いながら、ページをめくる舞ちゃん。

 来週の日曜は文化祭で、その数日後はもう修了式だ。
 平日は舞ちゃんも部活あるから予定合わないし。
 うーん、どうしよう。

「あの、日曜日ってタクマくんと一日中遊ぶ? 二時間くらいでもいいから——」
「ていうかさ、もう課題くらい自分でやりなよ」
「へっ?」
 いつになく辛辣(しんらつ)な声色に、ひやりと背筋が凍る。

「よし、もうはっきり言うね」
 パタンと本を閉じて、舞ちゃんがあたしを見据えた。
 見慣れた丸メガネの向こう側に、得体の知れない決意が浮かんでいる。

「みかる、少し私から離れたほうがいいと思う」