※ ※ ※
大変だ。
期末テスト翌週の木曜日。
三年生は進路説明会があって、一時間ほど遅れてくることになっている。
つまり、しばらくの間部室には、浅野くんとあたしの二人きり。
再オーディションの日以来、浅野くんの近くにいると緊張してしまう。
前までの「浅野くんが怖い」という気持ちとは違った、説明のつかない胸のざわつき。
第一音楽室に比べれば小さい部室の中で、あたしはなるべく浅野くんと離れたところで練習をしていた。
部屋の隅から、リズミカルなギターの音が聞こえる。
自分の音に集中しなくちゃ。
そう思っても、耳は浅野くんの奏でる音色に引っ張られっぱなしだった。
ああ、もう。
本番に向けて、弱点をどんどん克服していかないといけないのに。
「なあ」
「は、はい!」
突然声をかけられて、飛び上がりそうになりながら背筋を正した。
浅野くんの態度は、再オーディションの日以降も相変わらず。
あたしと目を合わせないどころか、挨拶すらまともに返してもらえないこともある。
その浅野くんが話しかけてきたのは、いったいなぜだろう。
練習に集中できていないことがバレて、怒られるのかな……?
「あんたさ、『ピック弾き』練習しないの?」
「へっ?」
「モニ先輩に言われてたじゃん」
怒られるわけではなかったけど。
その一言は、なんとなく見ないようにしていた記憶を、あたしに思い出させた。
大変だ。
期末テスト翌週の木曜日。
三年生は進路説明会があって、一時間ほど遅れてくることになっている。
つまり、しばらくの間部室には、浅野くんとあたしの二人きり。
再オーディションの日以来、浅野くんの近くにいると緊張してしまう。
前までの「浅野くんが怖い」という気持ちとは違った、説明のつかない胸のざわつき。
第一音楽室に比べれば小さい部室の中で、あたしはなるべく浅野くんと離れたところで練習をしていた。
部屋の隅から、リズミカルなギターの音が聞こえる。
自分の音に集中しなくちゃ。
そう思っても、耳は浅野くんの奏でる音色に引っ張られっぱなしだった。
ああ、もう。
本番に向けて、弱点をどんどん克服していかないといけないのに。
「なあ」
「は、はい!」
突然声をかけられて、飛び上がりそうになりながら背筋を正した。
浅野くんの態度は、再オーディションの日以降も相変わらず。
あたしと目を合わせないどころか、挨拶すらまともに返してもらえないこともある。
その浅野くんが話しかけてきたのは、いったいなぜだろう。
練習に集中できていないことがバレて、怒られるのかな……?
「あんたさ、『ピック弾き』練習しないの?」
「へっ?」
「モニ先輩に言われてたじゃん」
怒られるわけではなかったけど。
その一言は、なんとなく見ないようにしていた記憶を、あたしに思い出させた。
