「じゃ、私は家帰って明日のテスト勉強するから。みかるんもいいタイミングで帰りな!」
「うっ……はい、今日はいろいろとありがとうございました」
ずどん、と体が重くなるのを感じながら頭を下げる。
そうだ、明日から期末テストだった……。
「あー、それと」
出口に向かって歩いていたモニ先輩が、なにかを思い出した様子で振り返った。
「体調管理もしっかりやっていこうね! 一生懸命練習しても、怪我や病気で本領発揮できなかったらもったいないよ」
「はい、今日はすみませんでした」
「倒れた時、いつもジオが駆けつけてくれるわけじゃないんだからね!」
「へっ?」
さらりと付け加えられた言葉が、動き出したばかりのあたしの体を麻痺させる。
「それじゃ、おつかれー!」
引き戸が勢い良く開き、「失礼しました!」という元気な声が保健室に響いた。
自分がどんな表情をしていたのか、わからないけど。
口がまともに動いてくれなくて、「お疲れ様でした」の挨拶すら声にならず。
廊下へ消えるモニ先輩を、ただ目で追うことしかできなかった。
——体育館の舞台上、意識を失う直前の記憶が、みるみるうちに頭の中で蘇る。
「みかるー!」
重力に吸い込まれたあたしの背中は、冷たい床に打ち付けられる代わりに、どこからか現れた温もりに支えられた。
「大丈夫か?」
いつも部屋の隅でピックを振り下ろしている腕。
背中を包んだ触感は、想像していたよりもずっと筋肉質で。
あたしの頭を支える手のひらは、このままずっと身を委ねたくなるほどにふかふかで。
勇敢な息遣いが、疲れ切ったあたしの心臓へすっと入り込んだ——
モニ先輩のいなくなった保健室で、ベッドに取り残されたあたし。
体のあちこちが思い出した感触に耐えきれなくて、意味もなく掛け布団を口元に押し付けていた。
「うっ……はい、今日はいろいろとありがとうございました」
ずどん、と体が重くなるのを感じながら頭を下げる。
そうだ、明日から期末テストだった……。
「あー、それと」
出口に向かって歩いていたモニ先輩が、なにかを思い出した様子で振り返った。
「体調管理もしっかりやっていこうね! 一生懸命練習しても、怪我や病気で本領発揮できなかったらもったいないよ」
「はい、今日はすみませんでした」
「倒れた時、いつもジオが駆けつけてくれるわけじゃないんだからね!」
「へっ?」
さらりと付け加えられた言葉が、動き出したばかりのあたしの体を麻痺させる。
「それじゃ、おつかれー!」
引き戸が勢い良く開き、「失礼しました!」という元気な声が保健室に響いた。
自分がどんな表情をしていたのか、わからないけど。
口がまともに動いてくれなくて、「お疲れ様でした」の挨拶すら声にならず。
廊下へ消えるモニ先輩を、ただ目で追うことしかできなかった。
——体育館の舞台上、意識を失う直前の記憶が、みるみるうちに頭の中で蘇る。
「みかるー!」
重力に吸い込まれたあたしの背中は、冷たい床に打ち付けられる代わりに、どこからか現れた温もりに支えられた。
「大丈夫か?」
いつも部屋の隅でピックを振り下ろしている腕。
背中を包んだ触感は、想像していたよりもずっと筋肉質で。
あたしの頭を支える手のひらは、このままずっと身を委ねたくなるほどにふかふかで。
勇敢な息遣いが、疲れ切ったあたしの心臓へすっと入り込んだ——
モニ先輩のいなくなった保健室で、ベッドに取り残されたあたし。
体のあちこちが思い出した感触に耐えきれなくて、意味もなく掛け布団を口元に押し付けていた。
