「結果出してる人はこれくらい頑張ってるのかって圧倒されて。自分はまだまだ『頑張ってるつもり』だったなって、そのとき感じた」
ぎゅっと握った左拳を見ながら、自分に言い聞かせるように続けるモニ先輩。
「それから私は決めたんだ。この先の人生で鳴らす音は、絶対に一音も妥協しない。この手と耳と頭の全部を音楽に捧げて、世界一の鍵盤奏者になってやるって」
パチン。
パーテーションの向こう側で、勢い良くキーを叩く音がした。
先生のパソコン作業の音が止んで、少しの間ゆったりとした静けさが流れる。
やがてモニ先輩はもう一度あたしの目を見ると、いつものハイテンションで締めくくった。
「まあ、なにが言いたいのかというと、気づいた時点からがスタートだってこと! 自分に必要な努力量がわからないのは、初心者なら当然のことなんだからさ!」
毎日真剣に練習しているモニ先輩も、初めからあんなに努力できていたわけじゃない。
自分の足りないところを思い知らされた経験があってこそ、今の先輩の姿があるんだな。
「モニ先輩」
「なに?」
「あたし、まだまだ足りない部分も多いですが、前よりはスタート地点に近づけた気がします。これから、もっともっと頑張りますので、音楽のことたくさん教えてください!」
「ふふふ、言ったな? 私、本気でやる人には厳しくいくからね!」
「は、はーい……」
大きな瞳が放つ恐ろしい光を、直視できそうにはなかったけど。
少しずつ、あたしにできる範囲から、この人に食らいついていこうって思った。
ぎゅっと握った左拳を見ながら、自分に言い聞かせるように続けるモニ先輩。
「それから私は決めたんだ。この先の人生で鳴らす音は、絶対に一音も妥協しない。この手と耳と頭の全部を音楽に捧げて、世界一の鍵盤奏者になってやるって」
パチン。
パーテーションの向こう側で、勢い良くキーを叩く音がした。
先生のパソコン作業の音が止んで、少しの間ゆったりとした静けさが流れる。
やがてモニ先輩はもう一度あたしの目を見ると、いつものハイテンションで締めくくった。
「まあ、なにが言いたいのかというと、気づいた時点からがスタートだってこと! 自分に必要な努力量がわからないのは、初心者なら当然のことなんだからさ!」
毎日真剣に練習しているモニ先輩も、初めからあんなに努力できていたわけじゃない。
自分の足りないところを思い知らされた経験があってこそ、今の先輩の姿があるんだな。
「モニ先輩」
「なに?」
「あたし、まだまだ足りない部分も多いですが、前よりはスタート地点に近づけた気がします。これから、もっともっと頑張りますので、音楽のことたくさん教えてください!」
「ふふふ、言ったな? 私、本気でやる人には厳しくいくからね!」
「は、はーい……」
大きな瞳が放つ恐ろしい光を、直視できそうにはなかったけど。
少しずつ、あたしにできる範囲から、この人に食らいついていこうって思った。
