「楽譜をなぞることはできている」
ギターに目を落としたままそっけなく言う浅野くん。
ちぇっ! 聞くんじゃなかった。
ベース始めて二週間のあたしがちゃんと一曲通せたんだから、もうちょっと褒めてくれたっていいじゃん!
「めちゃくちゃよかったよ、みかるちゃん! Bメロ難しそうなのに頑張ってたね!」
「素晴らしいですね。たくさん練習してきたことが伝わってきましたよ」
セラ先輩のウインクに、テツ先輩の晴れ模様スマイル。
先輩たちに褒めてもらえて、胸の中がモヤモヤがるんるんに変わる。
浅野くんとは大違いだ。褒めて育てるのが先輩のあるべき姿よね!
「みかるん、すごくよかったよ! 音きれいだし」
キーボード奥のモニ先輩も、歯を見せてニコッと微笑んでくれた。
「ありがとうございます!」
「ただ、そうね……弦移動の時にリズムが崩れなくなると、もっといいかも!」
「わかりました!」
「あと、『ミュート』って覚えてる? 弾いてない弦から余計な音が出ないように左手で軽く押さえることだけど、それももう少し意識しよっか! 録音しながら弾くといい練習になるから、やってみて!」
「はーい!」
相槌を打ってはいたけれど、頭の中はウキウキした気持ちでいっぱい。正直なところ、モニ先輩の言っている内容はあまり入ってこなかった。
始めて二週間で一曲通して弾けたあたし、やっぱ天才じゃない?
細かいところはそのうちできるようになるでしょ!
——このとき、あたしは知らなかったんだ。
ちょっとできたからって調子に乗ってたら、痛い思いをするってことを。
ギターに目を落としたままそっけなく言う浅野くん。
ちぇっ! 聞くんじゃなかった。
ベース始めて二週間のあたしがちゃんと一曲通せたんだから、もうちょっと褒めてくれたっていいじゃん!
「めちゃくちゃよかったよ、みかるちゃん! Bメロ難しそうなのに頑張ってたね!」
「素晴らしいですね。たくさん練習してきたことが伝わってきましたよ」
セラ先輩のウインクに、テツ先輩の晴れ模様スマイル。
先輩たちに褒めてもらえて、胸の中がモヤモヤがるんるんに変わる。
浅野くんとは大違いだ。褒めて育てるのが先輩のあるべき姿よね!
「みかるん、すごくよかったよ! 音きれいだし」
キーボード奥のモニ先輩も、歯を見せてニコッと微笑んでくれた。
「ありがとうございます!」
「ただ、そうね……弦移動の時にリズムが崩れなくなると、もっといいかも!」
「わかりました!」
「あと、『ミュート』って覚えてる? 弾いてない弦から余計な音が出ないように左手で軽く押さえることだけど、それももう少し意識しよっか! 録音しながら弾くといい練習になるから、やってみて!」
「はーい!」
相槌を打ってはいたけれど、頭の中はウキウキした気持ちでいっぱい。正直なところ、モニ先輩の言っている内容はあまり入ってこなかった。
始めて二週間で一曲通して弾けたあたし、やっぱ天才じゃない?
細かいところはそのうちできるようになるでしょ!
——このとき、あたしは知らなかったんだ。
ちょっとできたからって調子に乗ってたら、痛い思いをするってことを。
