「えー! そんなのズルいよ! 舞ちゃん!」
お昼の休み時間が始まって十分後の教室、あたしは思わず、バンっと机を叩いて立ち上がっていた。
入学式から数えて三日目。
同じ小学校出身の親友・光橋舞ちゃんと同じクラスになれて、他のクラスメートとも少しずつ仲良くなってきて。
華の中学校生活、順調に行きそうだったのに。
まさか、こんなことが起きちゃうなんて。
「ズルいって、なにが?」
丸メガネの奥で、舞ちゃんの瞳がきょとんとしている。
いつも通りきれいにまっすぐ下ろされたセミロングの黒髪は、まるであたしに「落ち着きなさい」って諭しているかのように見える。こんな状況で落ち着いてられるかっつーの!
「『なにが?』じゃなくてさ!」
小四の秋から、舞ちゃんとあたしは、いろんな意味でずっと一緒だった。使ってるペンも消しゴムも筆箱もお揃い。児童館のバレーボールクラブにも、同じ日に入部したよね。
それなのに、
「どうしてあたしより先に彼氏作っちゃったの? 舞ちゃんとあたしはなんでもお揃いなんだから、初めての彼氏も同じ日に作らなきゃダメじゃない!」
お昼の休み時間が始まって十分後の教室、あたしは思わず、バンっと机を叩いて立ち上がっていた。
入学式から数えて三日目。
同じ小学校出身の親友・光橋舞ちゃんと同じクラスになれて、他のクラスメートとも少しずつ仲良くなってきて。
華の中学校生活、順調に行きそうだったのに。
まさか、こんなことが起きちゃうなんて。
「ズルいって、なにが?」
丸メガネの奥で、舞ちゃんの瞳がきょとんとしている。
いつも通りきれいにまっすぐ下ろされたセミロングの黒髪は、まるであたしに「落ち着きなさい」って諭しているかのように見える。こんな状況で落ち着いてられるかっつーの!
「『なにが?』じゃなくてさ!」
小四の秋から、舞ちゃんとあたしは、いろんな意味でずっと一緒だった。使ってるペンも消しゴムも筆箱もお揃い。児童館のバレーボールクラブにも、同じ日に入部したよね。
それなのに、
「どうしてあたしより先に彼氏作っちゃったの? 舞ちゃんとあたしはなんでもお揃いなんだから、初めての彼氏も同じ日に作らなきゃダメじゃない!」