ハートがバキバキ鳴ってるの!

 あたしったら、ほんとに国語力ないな。
『いつか私たちも、それぞれ独立して生きていかなくちゃいけない』
 あの言葉に隠された思いやりに、今やっと気がついた。

 その瞬間、ドロドロした感情がどこかへ消え去って。
 代わりに滝のような涙が溢れ出した。

「舞……ちゃーん!」
 思わず舞ちゃんの胸に顔を埋める。
「怖かったよお……」
「ん?」
「浅野くんのお母さん、きれいなドレス着てて、おしゃれなハイヒール履いてて、あたしが全然敵わない大人って感じだった。でもあたし、言えたよ。ちゃんと自分で話せた」
「なんの話かわからないよ。文化祭終わったらまたゆっくり教えて。今度国語の課題手伝うから、そのときにでも」
「ごめん、ありがとう」

「その代わり、これは私からのお願い」
 そう言って舞ちゃんはあたしの肩を掴み、ぐいっと自分の体から離した。
 ちらっと舞台に目をやってから、あたしの全身に力を吹き込むような声色で続ける。

「今日は、私の知らないみかるを見せて」