「もーそんなに好きなら()っちゃいなよ!」

「なっ…ち、違いますよ!そういうんじゃなくて、推しってだけです!」

恋愛感情の“ 好き ”じゃなくて、推しの“ 好き ”なんだけどなぁ…

みんな熱い眼差しで応援してくれるから…恥ずかしくなるじゃん…!

「それに…いいんです。遠くから眺めているだけで…」

そもそも推しと急接近は心臓持たないし、私なんかと噂になっても大変だし笑

「竹城サブいる?」

__チャリッ、チャリッ、と鍵の音を立てながら私の方に向かってくる人。

姿を見ると、心がキュッと締め付けられる感覚。

「副店長…!はい、なんでしょう?」

「次の商戦だけど、○○のデータを取って、荒利取れてるやつピックアップしといて。それから、来週××の発注で数量なんだけど__」

淡々と話す副店長。

私は相槌をしながらしっかりとメモを取る。

「どう?大丈夫?」

「あっはい!大丈夫です。次回発注日にやっておきますね」

「宜しく。期待してるよ」

ポン、と肩を叩いてチャリッと鍵の音をさせて去って行った。