この場所で始まる恋

 それからというもの先生と話す機会も増えていった。そして体育祭も終わりもう少しで夏休みの前にある期末テストが迫ってきていた。テスト範囲のワークなど提出物があり、後々残すと大変なことになることも分かっているので今日は少しでも終わらせようと思い図書室へ向かう。中に入ると放課後ということとテストまではまだ少し日があるということもあってほとんど人はいない。適当に席に着き、鞄の中からワークとノートを取り出す。

「よし。」

と小さく気持ちを込めてペンを走らせる。パラパラとワークを進めていきなんとか一つ目は終了。伸びをして休憩にスマホを見ようと鞄を漁ると【英語のワーク】と書かれたワークが目に入る。英語はワーク提出があるがなんと授業中にワークをやる時間があり、答え合わせもしてくれて授業に出席してちゃんと聞いていれば授業内でワークが完成するようになっているというありがたい仕組みでこれは本当に香坂先生に感謝。書き漏れがないかパラパラとワークをめくってみると

「マジか、、」

 所々、空欄になっている箇所があることに気づいてしまった。授業では問題数に合わせて出席番号順に指名されて解いたところを答えるのだが順番が回ってこない日も多いのでそういう時は回答を見て解説を聞くだけの作業になる。そうなると気が抜けて睡魔が襲ってきて聞き逃してしまうこともしばしば。後で明日夏に聞こーとか考えながら忘れるということに心当たりがありすぎてそのしわ寄せがここでやってきたかと頭を抱える。

(明日絶対見せてもらわなきゃ(泣))

絶対に忘れないようにやってないところがすぐわかるようペンケースから付箋を取り出して貼っていく作業を急遽始める。

(ここと。ここと。え、ここも、、私やってなさすぎでしょ。)

2~3箇所くらいかなーなんて思っていたのに以外にも付箋を貼る枚数が増えていき過去の自分に嫌気がさしてきてふてくされながら付箋を貼っているころ

「あれ?西原さん?」

名前を呼ばれて顔を上げると不思議そうな顔でこちらを見ている香坂先生と目が合った。

「こ、こんにちは。」

「こんにちは。奇遇ですね。(ニコッ)」

「そー、ですね。」

「テスト勉強ですか?」

(あ―。)

 先生の発言にドキリとし、内心焦る。なぜかというと今絶賛やっているのが英語なこと、その担当が香坂先生なこと。そこまでなら特に焦る必要はない。が、私が今やっているのは授業中にやり終えているはずのワークの書き残し。これを見られたら授業を聞いていなかったことがバレてしまう、、それだけは非常にまずいし、またなんか言われそう、、だからなんとか気づかれないようにしようと

「あ、そ、そうです!もうすぐなので、やり始めなきゃと思って!」

ハハハと笑いながらそーっと流れるようにワークを閉じて見られないように仕舞おうと試みる。

「英語のワークですか?」

 鋭い言葉が降ってきてワークを片付ける手が止め、しれっとしまうことを失敗する。

(終わった。)

「えっと、はい!英語の勉強しようかな~思って!」

「なるほど。」