「何がお前のだって?」
「その子、俺のなんだけど」
言いながらサングラスを外して、男たちを睨みつける。私と同じ歳くらいの若い男性だった。長めの前髪の間から、ぎ、と睨む目は、私ですら背筋の寒くなる迫力があった。男たちは予想外の男の登場に出鼻をくじかれたのか、ぶつぶつ文句を言いながら離れていった。
(助かった……)
私は大きく息を吐くと、その人を見上げた。
「あの、ありがとうござ……」
「ばかか? あんたは」
私の言葉を聞くことなく、その男はいきなり言った。
「は?」
「あんたみたいなひ弱な女一人であんなの相手にするなんて、どう見たって勝ち目はないだろ?」
な?! 助けてくれたのはありがたいけど……なに、この失礼な男!
「だって」
「だってじゃないよ。それともあんたも目的は一緒か? あいつらと遊びたかったのか?」
「そんなわけないじゃん!」
「だったら、ああいうときは自分で声を掛けようなんて思わないで、駅員か警察を呼べよ。もしくはそこらの男に声をかけて……」
「だって誰も助けてなんかくれなかったじゃない!」
怒鳴った私を見て、男は口をつむぐ。
「その子、俺のなんだけど」
言いながらサングラスを外して、男たちを睨みつける。私と同じ歳くらいの若い男性だった。長めの前髪の間から、ぎ、と睨む目は、私ですら背筋の寒くなる迫力があった。男たちは予想外の男の登場に出鼻をくじかれたのか、ぶつぶつ文句を言いながら離れていった。
(助かった……)
私は大きく息を吐くと、その人を見上げた。
「あの、ありがとうござ……」
「ばかか? あんたは」
私の言葉を聞くことなく、その男はいきなり言った。
「は?」
「あんたみたいなひ弱な女一人であんなの相手にするなんて、どう見たって勝ち目はないだろ?」
な?! 助けてくれたのはありがたいけど……なに、この失礼な男!
「だって」
「だってじゃないよ。それともあんたも目的は一緒か? あいつらと遊びたかったのか?」
「そんなわけないじゃん!」
「だったら、ああいうときは自分で声を掛けようなんて思わないで、駅員か警察を呼べよ。もしくはそこらの男に声をかけて……」
「だって誰も助けてなんかくれなかったじゃない!」
怒鳴った私を見て、男は口をつむぐ。



