「穂稀…穂波、?ほ、なみ、、」
なんで、なんで、もうあんな思いはしたくないのに…出来ることならずっと忘れていたかった。
大切な人がいないという、現実を受け入れたくなかったから。
穂波とは幼稚舎から一緒の幼馴染だった。この先ずっと一緒だと思っていた。でも────あの日、日常が変わった。
3年前、俺たちがまだ中学の頃。バレンタインの日だった。
その日は穂波の片思い相手の南にやっと告白する。と本人から聞き、やっと付き合うのか…と幼馴染の幸せを喜んだ日だった。
でも、その日は幸せの1ページとなるのではなく、最悪の1ページとなるのだった。
だって────────告白が大失敗に終わるのだから。
ふたりは両思いだからと油断しなければよかった。あいつらの妨害を想定していれば…
穂波のファンクラブ会員によって告白はすべてぶっ壊れた。穂波は必死だったため、大量の恨みがましい視線に気づかなかったのだろう。ファンクラブ会員ら20人ほどの視線に加えて、カメラが60台ほど構えていて、それはもう恐ろしかった。
南はいち早くそのことに気づき、最悪で最善な手段を取った。
ボロクソに言って、自分が穂波に嫌われるという方法を。南は顔をしかめながら泣きそうな声で下を向いて、穂波を思い切り罵った。
精一杯悪口を並べたて、必死に、必死に、自分が一番傷つく方法を選んだのだ。もちろん穂波も傷ついてしまうけれど、自分が特に嫌われる、その場で最善の方法を取ったのだ。
悪口の内容は悲しくなるようなものばかりだった。
昔から今のnobleTOP3は穂波を嫌っていたや、お前に名前を呼ばれるだけで、吐き気がするなど。
自分を巻き込んだことは許さないが、これでよかった、と思っている。
いや、思いたいの間違いだ。思っていないと壊れてしまいそうで辛い。
その日を境に俺たちの名前を呼ぶ声は変わった。
蓮は西園寺に、俺は東に。南は凛ではなく、南に。
変わった日は荒れ狂った。朝学校へ行き、いつも通り挨拶をすると、「東、西園寺おはよう」そう返された。
蓮とふたりで言われた瞬間教室を出て、南を待った。しばらくすると南がやってきて蓮は顔を見てすぐに首根っこを掴んで第3体育館にと向かった。
これはどういうことなのかと聞くためだ。
ふたりで問いただすと、これしか方法がなかった。と返された。
蓮は憤慨し、今にも南に殴りかかりそうになっていた。一方俺は信じたくなくて、これが現実だということを受け入れたくなくて、ただただ必死に状況を理解しようとしていた。
なんで、なんで、もうあんな思いはしたくないのに…出来ることならずっと忘れていたかった。
大切な人がいないという、現実を受け入れたくなかったから。
穂波とは幼稚舎から一緒の幼馴染だった。この先ずっと一緒だと思っていた。でも────あの日、日常が変わった。
3年前、俺たちがまだ中学の頃。バレンタインの日だった。
その日は穂波の片思い相手の南にやっと告白する。と本人から聞き、やっと付き合うのか…と幼馴染の幸せを喜んだ日だった。
でも、その日は幸せの1ページとなるのではなく、最悪の1ページとなるのだった。
だって────────告白が大失敗に終わるのだから。
ふたりは両思いだからと油断しなければよかった。あいつらの妨害を想定していれば…
穂波のファンクラブ会員によって告白はすべてぶっ壊れた。穂波は必死だったため、大量の恨みがましい視線に気づかなかったのだろう。ファンクラブ会員ら20人ほどの視線に加えて、カメラが60台ほど構えていて、それはもう恐ろしかった。
南はいち早くそのことに気づき、最悪で最善な手段を取った。
ボロクソに言って、自分が穂波に嫌われるという方法を。南は顔をしかめながら泣きそうな声で下を向いて、穂波を思い切り罵った。
精一杯悪口を並べたて、必死に、必死に、自分が一番傷つく方法を選んだのだ。もちろん穂波も傷ついてしまうけれど、自分が特に嫌われる、その場で最善の方法を取ったのだ。
悪口の内容は悲しくなるようなものばかりだった。
昔から今のnobleTOP3は穂波を嫌っていたや、お前に名前を呼ばれるだけで、吐き気がするなど。
自分を巻き込んだことは許さないが、これでよかった、と思っている。
いや、思いたいの間違いだ。思っていないと壊れてしまいそうで辛い。
その日を境に俺たちの名前を呼ぶ声は変わった。
蓮は西園寺に、俺は東に。南は凛ではなく、南に。
変わった日は荒れ狂った。朝学校へ行き、いつも通り挨拶をすると、「東、西園寺おはよう」そう返された。
蓮とふたりで言われた瞬間教室を出て、南を待った。しばらくすると南がやってきて蓮は顔を見てすぐに首根っこを掴んで第3体育館にと向かった。
これはどういうことなのかと聞くためだ。
ふたりで問いただすと、これしか方法がなかった。と返された。
蓮は憤慨し、今にも南に殴りかかりそうになっていた。一方俺は信じたくなくて、これが現実だということを受け入れたくなくて、ただただ必死に状況を理解しようとしていた。