夜会で失態を犯してしまった。頼れる筈のサロモンは……

 サロモンと共に衛兵によって連行された部屋。自分が何をしたか、酒に酔っていたとはいえやってはいけない事をした。子供でも分かる事だ…自分が嫌いだ…こんな筈じゃなかったのに…

「すまないアニエス、申し訳ない事をした、私が君をこんなに追い詰めた…」

 サロモンがアニエスに頭を下げる。王子が頭を下げるなどあってはならない事だ。

「私の事愛してるって言ったのに…」

「アニエスの事は可愛いと思った。笑って、働いて…周りにはいない…輝いて見えたんだ」
一言一言、間違いのないように話すサロモン

「嬉しかった…でも住む世界ってやっぱり違った…あんな美しいセレスティーヌ様に勝ったんだ…はじめは申し訳なかったけど、愛してるって言われて…本気にしちゃったの、あなたより私を選んでくれたのよ!って調子に乗ったの…」


輝いて見えたアニエスではない…ただの女の子にしか見えなかった。