学園に通う様になり、たまにアニエスに話しかけられるが上手く躱し、サロモンからの熱い視線と呼び出しにはほとほと呆れるが、無視する事により、なんとか学園生活を送れる様になった。

 明日は王宮で夜会がある。ラルフから贈られたドレスを着るのが楽しみで仕方がない。

「セレス、明日の夜会は誰と行くんだ!?」

 サロモンに話しかけられる。

「殿下には関係ありませんでしょうに」
「私と行かないか? 迎えに行くから」
「お断りいたします」

 深々と礼をしてサロモンの前から去る。

 なんだというのだ! しつこい男だ。これでは本当に嫌いになりそうだ。決してサロモンの事を嫌いではなかったのだが、最近のサロモンは人として軽蔑するような行動が多く見られる。


 大人しく子爵令嬢をレディとして教育すれば済む話なのに……子爵令嬢をエスコートする義務がある、なんせ真実の愛の相手だ……これ以上巻き込まないで欲しい。