場所を確保してくると言って一度会場から出るサロモン。


 会場を見渡すとピンクのリボンの塊が目に入った

「……あの方」

 ぽそりと呟く。

「どうした? セレス」

 ラルフに声を掛けられ

「いいえ、なんでも……」

「……あの子が何か?セレスの知り合いか何かなのか?」

「……真実の愛のお相手ですわね」

 セレスティーヌが口籠る。

「……あれが? か」

 子爵令嬢を見て驚き固まるラルフ。

「まだ、社交界に慣れていらっしゃらないだけですわ……今からきっと洗練され殿下の隣を並ぶ事になりますもの、元々可愛らしいお顔をされてらっしゃいますし……」

「セレスティーヌ……」

「だって真実の愛で結ばれるお二人ですのよ?」

「セレスは本当にそれで良いの?」

「はい、愛しあうお二人の邪魔をするつもりは一切ございません。寧ろ真に愛する相手を見つけられた殿下を尊敬しております」

「……そういうものなのか?」

 セレスティーヌを見るラルフ。