王弟殿下が外国から帰って来られる。

 何年も他国を周り国のために働いていた。

 お会いするのは何年振りだろう……

 本来なら王宮で開かれるパーティーへ行くのは躊躇われるのだが、招待されたのだから行くしかない……

 王弟殿下と言ってもとっても若い。陛下とは歳が十八歳も離れていて、王子達と兄弟と言った方がしっくりくる美丈夫だ。十年近くもお会いしていないので、最後に会った時の顔を思い出す。


 サロンでお茶を飲んでいると兄クリストファーに声をかけられた。


「セレス、来週のパーティーは僕と一緒に行こう」

 セレスティーヌの向かいの席に優雅に腰をかけるクリストファー。

「クリスお兄様が?婚約者のアナベル様はどうされたの?」

「アナベルの兄がエスコートするとの事で会場で会う事にした」

「そうですか、お兄様とアナベル様に、気を使わせてしまいました……」

「セレスをエスコート出来るなんて嬉しいよ?自慢の妹だからね」

「……婚約破棄される様な妹ですよ?」

「セレスは身を引いたんだろう?噂になってるよ、良い風に……」
「そんな事は……」

「まぁ、気にしないで楽しもう」

「えぇ……」

 優雅にお茶を飲む二人の美しい兄妹。