放課後、急ぎ足で図書室に向かった。
一番早いと思っていたのに、もうみんな集まっていた。
やっぱりだけど、そうたくんはいない。
これ以上みんなを待たせないよう、すぐ近くの椅子に座った。
そしたら、いきなりパンダ先輩がまじめな顔で私の方に来た」
「このみ、全部知っているから、一人で抱え込まなくていい」
嬉しかった、ずっと一人で抱え込んでいるのはつらかったから。
もう二度と仲間には戻れないと思っていたけどそうじゃなかった。
もっと仲間を頼ろう。
「あ、ありがとう。黙っていてごめん」
「いつでも頼ってね」
枝野先輩も優しく言ってくれた。
「はいっ!」
早速これからどうやって呪いを解くか、相談しようとした。
そしたら扉が開く音がした。
振り向くと…そうたくんがいた。
「来てくれたんだね」
みんなが呼んだみたい。
「そうた、思い出してほしい。俺らのこと」
気持ちを伝える、それは大事なことなんだ。
「そうたくん、思い出して…大切な仲間だよ」
それぞれが思いを口にする。
こんなので呪いが解けるか分からない…でも。
「み、んな…」
そうたくんが、ゆっくりと口を開いた。
「思い出したよ…」