「あ〜めっ!学校行こ?」

「もう……一人でも行けるんだけど?」

「いいじゃ〜ん!行こ〜よ〜」

「分かった、分かったから離れて」

春を引き離すと、なぜか春は笑ってる。

「んふふっ、ありがと!」

でも私はもうなぜか分かるから、怪訝がることもない。

「「行ってきます!」」

上を見上げると、右の方には灰色の雨雲。

左の方には雲がポツポツと並んだ、真っ青な空が広がっていた。

別物のように見えて、実は同じ二つの雲。

「ねえねえ、あの雲、私と雨みたいじゃない?」

「……私も思ってた」

まるで私たちみたい。