「雨ちゃん、お疲れ様。今日はもう帰っていいって」

「わかりました。じゃあ、お疲れ様でした」

撮影が終わり、ずっとそばで見ていてくれた小田さんが駆け寄ってきて

そう言ってくれる。

次の電車はいつだろう、と思いながら小田さんのそばを通り抜けようとすると、

小田さんに腕を掴まれる。

「な、なんでしょう……?」

私、何かしたっけっ……?