春と雨

ちょ、ちょっと怖い……。

「あなた、名前は?」

「い、五十嵐雨です……」

「雨……蒼、この子どこで見つけたの?」

「転校先でちょっと」

「そう……」

さっきからずっと離れなかった社長さんの目がやっと離れる。

「素晴らしいわ。こんなに可愛い子、そうそういないわよ」