春と雨

え……社長⁉︎

「ああ、オフィスにいるよ」

「ありがとうございます」

もう……誰か私がここにいる意味を教えて……。

心の中でそう叫ぶと、それが伝わったかのように木枯くんが振り向いた。

「今からあんたを社長に紹介する」

「……どうして?」

「お前は原石だからだ」